2011.04.24 Sunday

Marrakesh Express


オープン・チューニングの素晴らしいところは"構造"と"機能"が完全に一致しているところで、怖がらずにその世界に入り込めば、僕みたいな下手っぴにも、やさしく語りかけてくれる。


とりわけ凄いのは、選択肢を捨てることが扉を開ける鍵だということ。


『もし、君が自由になりたいのなら、使う音をひとつ減らしてごらん』


そこには様々なメッセージがあって、受け取るかどうかは自分次第なのだ。




LとSがDまで行こうが関係ない。


僕に必要なのは、EADGBE


時に、DGDGBD


時に、DADGAD



『マラケシュへ行きたしと思へども


 マラケシュはあまりに遠し


 せめて今夜はギターをかかえて


 EストリングをDまでドロップしたら


 マラケシュ行き超特急に乗ろうよ』



2011.03.16 Wednesday

あたたかい声





アラン・トゥーサンの声があたたかい。


そして、ドラムのリヴォン・ヘルムの笑顔。
スネアドラムへ押し込むような独特の左肩の動き。


最高です。


春はもうそこまでです。
2011.02.27 Sunday

ひとりごと

 


先週後半から、なんだかずいぶん春めいてきました。

週末もいいお天気でしたが、花粉症がひどくならないように、外出は必要最小限度に。

これ幸いと、ずっと家で練習です。

練習といっても、ギター弾いて唄っているだけなんですけれども。



あと、ギターを弾かない練習もします。

僕は”ギター弾き”上がりなので、無意識のうちに、どうしても『ギターに唄を付けてしまう』傾向があります。

去年、ある方から指摘されて、それ以来、音楽の捉え方が変わりました。



本当は逆です。



『唄にギターが付く』のが自然だし、結局気持ちいい。



だから、ハンドスナッピングだけのアカペラで、一曲グルーブするように延々唄います。でも、ギターは持ってないだけで、弾いてるのです。頭では唄と同時に鳴らしておきます。もっと言うと、ドラムもベースも鳴らします。

というか、ドラムやベースが聴こえてくるように唄えるまで、延々繰り返すわけです。



調子がいいと、すぐ聴こえてきますが、ダメなときは何時間もかかります。

多分、知らない人が見たら、頭がおかしい人に見えると思います。



どうやったら、ドラムやベースやギターが鳴っているように唄えるのか?



それには、自分以外に”グルーブ”に一緒に演奏してもらうことが必要です。

自分で唄うのではなくて、"グルーブ"に唄ってもらう。



具体的には、言葉の語尾や唄い出し、そして、唄っていない場所をどう処理するかがコツになってくるみたいです。

自分が今、音楽の中のどこにいるのか?

考えなくても瞬時に分かるようにならないといけないようです。



去年は、一拍目の直前にポケットを感じながら、とにかくビートの頭をタイトに合わせることに集中していたのですが、欠点として、どうも演奏が固くなる感じがありました。

先月から、二拍目(スネアのバックビートが鳴る位置)の前にポケットを感じるようにしてタイトに合わせて、逆に一拍目近辺はスウィングする感じでグルーブのラインを仮想して、ゆったり処理するように変えてみました。



こっちのほうが、テンポがゆっくりでも演奏が前に進む感覚があります。



2のリズムでテンポはキープしつつ、3のリズムでタイムを感じるというか。

ま、ケース・バイ・ケースなんですが。



自分をいくつかに分割して、演奏している自分と、それを俯瞰的に見ている別の自分がいる感覚。

でもまぁ、そんなにいつもはうまくいきません。



"グルーブ"とは、音楽と自分の間に現れる、もの or こと、です。

演奏がうまくいっても、それは自分の力ではありません。

偉いのは音楽であり、"グルーブ"なのです。



それでは、ポール師匠の演奏を聴きながらおやすみなさい。

曲は、大好きな『Slip Slidin' Away』

最後まで聴けないのがちょっと残念ですが。



なんでもない、ジミー・リードっぽいスローなシャッフルに聴こえますが、ちょっとやそっとじゃこうはいきません。なんか、凄いことになってます。

演奏のうねり具合は、ほとんど、ジョアン・ジルベルトやロバート・ジョンソン並です。

新譜楽しみだなー。



2011.02.12 Saturday

フランク・ロイド・ライトと朝焼けのインテルメッツォ

 




グレン・グールドの演奏を聴くと、なぜだかフランク・ロイド・ライトの建築を思い出す。



どんなに時間が経ってもモダン。

でもロマンティック。



♪吐き気がするほどロマンティックだぜ♪



と唄うような、一回転半のロマンティシズム。



バロックとかゴシックとか、音楽ジャンルに建築様式の名前が使われたりするのはなんでだろ?



時間と空間。



建築のような音楽。

音楽のような建築。


2011.01.10 Monday

三十周年

201101091941000.jpg


佐野元春さんの30th Anniversary Tourを観に、福岡市民会館に行ってきました。


佐野さんのライブに行くのは、ほぼ十年振り。


ライブが終わって席から立ち上がるのが惜しいような、そんなライブでした。


『ありがとう』と言いたくなったライブを観たのは、本当にひさしぶりのことです。



心配していた喉の調子もだいぶ回復されたようで(それに少し痩せられたかな?(笑))、赤いストラトキャスターを抱えたステージ上の佐野さんは、確かに僕の知っている『佐野元春』でした。



佐野さん自身は一言もコメントされませんが、シャウト出来なくなってしまったことに一番もどかしい思いをされてきたのは御本人だと思うので、声の復調は、元ファンの一人としては本当に嬉しい。



どこぞの女性歌手のように病気や怪我で話題作りなどせず、どんな逆境でもユーモアに変えてゆくその姿には胸が熱くなります。さすが江戸っ子、『粋』ですね。



僕は佐野さんのリズムギターが好きです。



CDではわかりにくいのですが、ライブだと8ビートを刻む時でも、しっかり16分音符を感じながら弾いているのがはっきり分かります。

佐野さんの右手が叩きだすシャープな独特のリズムを聴いているとなんだか嬉しくなってしまいます。

本当にリズム感の良い人だなと今日も感心しました。



もっと好きなのは、カウントの取り方なんですけどね。

なかなかいないんです。『1、2、3、4』のカウントがかっこいい人は。



ライブは大ファンサービス大会といったかんじで、元春クラッシクスをほぼオリジナル・アレンジのままたてつづけに演奏してくれました。アンコール入れて3時間弱でしょうか?あっという間でした。



元少年少女のみなさん、盛り上がってましたよー。

客電がつくまでの間、僕も十代に戻ってました。

ずっと一緒に唄っていることに途中で気づいて、自分でもびっくり。



個人的には、『欲望』、『新しい航海』に『ニューエイジ』が聴けたのが嬉しかったな。

もちろん、『悲しきRadio』からのロックンロール・メドレーもしっかりやってくれました。

これはやっぱり、古田たかしさんのドラムじゃないとしっくりきませんね。

元ハートランド組ではギターの長田進さんも大活躍でした。



デビュー三十周年、おめでとうございます。


そこにいてくれてありがとう。


ほんとうにありがとう。


2010.12.31 Friday

掃除のための音楽

 


静かな朝だなと思ったら雪が降っていました。

大晦日に雪。

郵便局のみなさん、おつかれさまです。



朝から大掃除。

掃除のBGMには誰がなんと言ってもストーンズが最適です。



J-Popでは、日本語が頭に入って来てうっとおしいので論外。

パンクやメタルでは集中力が上がりません。

ジョニサン聴きながらでは休憩ばかりになってしまいます。



以前メタリカを試した時は、初め快調だったのですが、途中で失速。

『メタルマスター』よりは『ブラック・アルバム』のほうがむいているようです。

しかし、長丁場にはやはり不向きです。



ディランではそもそもやる気がしないし、JazzやSoulでは聴く方がメインになってしまう。



ブラジル系も向きません。

軽い家事になら使えるかもしれませんが、あれは基本的に享楽的な音楽.。

労働向きではないと思う。



だからといって、スプリングスティーンなんかのアメリカンロックでは、

いかにも『さぁやるぞ』というかんじでよろしくない。

そんなに腕まくらなくてもいいじゃないですか。たかが掃除なんですから。



そう、たかが掃除。 But, I Like It ?



掃除の時は、ストーンズに限ります。

スウィングしてるしね。

スウィングしてるロックバンドはストーンズだけです。

って本当かよ。



でもって、ちょっと休憩。

コーヒー入れながらアンソニー・フィリップスはいかが?

静かな雪の大晦日にぴったりです。

猫はこたつで丸くなっています。




▶ Anthony Phillips (with Phil Collins) - Which Way The Wind Blows [HQ audio] - YouTube




今年も一年ありがとうございました。

よいお年を。



2010.12.11 Saturday

成長するってこと


少し早いけど、クリスマス・プレゼントが届きました。

差出人は自分自身()


ありがとう、自分。

偉いぞ、僕。



Bruce Springsteen78年の4thアルバム『闇に吠える街』のデラックス・エディション。



3CD+3DVDの圧倒的なボリュームに、完璧なアートワーク。

1978年のE Street Bandのライブがオフィシャルで観れるとは良い時代になったものです。



リマスターCDは、このアルバム独特の"内に向かうパワー感"、なんというか、外から見える筋肉よりもインナー・マッスルの凄みが感じられるようなサウンドなのですが、その質感を損なうことなく細部の見通しが良くなっていて好印象。

まだざっとしか観ていませんが、ドキュメンタリーでは、エンジニアのChuck Plotokinによる、『どうやってこのパワー感を表現したか』という、このアルバムのサウンド・ピクチャーに関するくだりを興味深く観ました。



在りし日のDanny Federiciの姿も胸を打ちます。

E Street Bandの物語は、まるで『Godfather』や『Once Upon A Time In America』のような、移民の息子達による一つのサーガになりつつあるのだなあとの思いを強くしました。



ライブ映像を観るのが本当に楽しみです。すぐ観るのがもったいない。

時間が出来たらゆっくり観ます。




この世界には素晴らしいアルバムが、音楽がたくさんあります。



初めて聴いた時からあなたの心をつかんではなさない音楽。

思い出して聴く時はいつだってあなたをその時代に連れて行ってくれる音楽。

歳月が経つにつれてあなたの中でその輝きを失っていく音楽。

そして、明日出会うかもしれない、あなたの心をハイにしてくれる音楽。



その中にはまれに、『その意味はよく分からないのだけれど、何かそこには自分にとってとても大切なメッセージ"が込められている』と感じる音楽もあります。



それが一体何だかは今は分からないし、説明するための言葉もまだ持っていないのだけれど、『この中には自分が一生かけて理解していくメッセージが込められている』ということが何故だか直感的に分かってしまうアルバム。



『闇に吠える街』は"僕にとって"そういうアルバムです。

そんなアルバムに十代の頃出会えた自分はとても幸せだな、と思います。

そして今、時間が経って、この自分からのクリスマスプレゼントを手にしていることもラッキーだなと。




アルバムの中身についてどうこう書くつもりはありません。

僕がそんなことをしても無粋で退屈なだけでしょう。

分かる方には何も言わなくても分かるし、分からない方には百万言費やしても分からない。

これはそういうアルバムなのです。



Springsteenの、作家として、そしてプレイヤーとして今でも成長し続けようとする姿は、心から尊敬に値します。

そして、"Bruce Springsteen"という人がそのファンから息の長い支持を得ている理由の一つは、彼のファン達が各々の人生を彼の唄に投影してきたように、彼もまた、彼自身が1stアルバムで自分に投げかけた『成長するってこと』という問いに"一生かけて答えようとしている"という、その愚直なまでに誠実な姿勢にあるのだと思います。


2010.12.04 Saturday

窓を開ける音楽

 朝起きて一週間分の家事を済ませる。やっぱり晴れると気持ちいい。

洗濯物を干し終わってポストを見に行くと、一ヶ月前にamazonに注文していたPrefab Sprout の『Let's Change The World With Music』が、イギリスのレコード・ショップから届いていた。



一年前に出ていたのを買いそびれたままだった。最近、タワレコなんかの量販店での店員の接客能力のあまりの低さにうんざりすることが続いたので、思い切ってamazonで手に入れることにしたのだ。



Prefab Sproutは、もう完全にパディー・マクアルーンの一人レコーディング・ユニットになってしまったみたいで、弟のマーティンの名前もクレジットには無い。

Let's Change〜』は、97年の『Andoromeda Heights』以来のパートナーであるエンジニアのCalum Malcom(Blue Nile! )とのコンビによるもの。近作と比べると、打ち込みによるワンマン・レコーディングのせいか、若干音のレンジの狭さが気になるけれど、それ以外はいつものプリファブだ。



一音鳴っただけで、『あ、プリファブだ』と分かる、あの音世界は健在で安心する。



プリファブ・スプラウトの音楽は、とらやの羊羹みたいなもので、なんというか、送り手と受け手の共犯関係が完全に出来上がっている。

『他の人がなんと言おうと関係ないのわたしだけにはわかるのよ』というやつ。



だから、『そうそう、これこれ』と確認するだけで、とりあえず満足出来る。

古い友人から届く手紙みたいなものだ。

届くことが大事なのだ。



いちげんさんのことなんか知らん。



なにしろ、10年以上前から『作ってるらしい』という噂だけはあった作品だ。

聴けて良かった。

パディー・マクアルーンにはまだ音楽を続けて欲しいと切に願う。



容貌は180度変わってしまったけれど、パディー・マクアルーンの声は驚く程20年前のままだ。その瑞々しさは、初めて" Goodbye Lucille#1"を聴いた時の印象と全く変わらない。



彼の声を聴いていたら、窓を開けたくなった。

窓を大きく開けて、冷たい空気を部屋いっぱいに入れる。

買い物から帰ってきたら、ストップしていた作業にとりかかろうっと。



このアルバムのクレジットは、昔の仲間達に捧げるこんな言葉で締めくくられている。



For robust and unsentimental reasons, this record is dedicated to Martin McAloon, Wendy Smith, Neil Conti, Thomas Dolby, and Michael Salmon.

For the good times.



"For the good times"の文字が泣かせる。



僕達に出来ることは憶えていること。

なにがあっても忘れないこと。

僕達に起こった、あるいは起こったかもしれない『よきこと』を。


2010.11.21 Sunday

ブリティッシュ御町内


 なぜか、Caravanを聴いている。


日本人のお兄さんじゃないです。70年代の英国のグループの方。




▶ Caravan - In the Land Of Grey And Pink - YouTube



まだ、英国音楽がUKロックじゃなくて、ブリティッシュ・ロックだった頃の人達。


休日の午後に、不穏なオルガンと、のほほんとした唄が妙に合うのだ。



さっきから向かいの社宅で、ツェッペリンが聴こえる。



対抗してボリューム上げようかと思ったが、たとえば、

「おたく、ロンドンですか?うちはカンタベリーですよーだ」

とか伝わらないだろうし、伝わったら伝わったで、それはちょっとめんどくさいので止めた。



ま、今日はこれくらいで勘弁しといたらぁ。



なんだか、ブリティッシュ御町内だ。

『フレディー・マーキュリーの銅像をつくるために署名お願いします』なんて回覧板まわってきたらどうしよう。


来るわけないか。



で、また、コーヒーもう一杯。

近所にコーヒー屋さんが出来たみたい。今度行ってみよう。



話はコロコロ転がって、ラジオを聴けるようにしたいと思って、家電ショップに行ってみたのですが、どれ買っていいかよくわからなくなって帰ってきたのです。



出来れば、パソコンに予約録音して後でiTunesで聴けるようにしたい。

USBタイプのラジオチューナーというのがあるみたいなんだけど、どれくらいの音質で聴けるのかがいまいち分からない。



みんな、どうやってるんだろう?

今どきラジオ録音する人なんてあまりいないのかな?

誰か、詳しい人いないかな?


2010.11.11 Thursday

残響


 ふと考えた。



フィル・スペクターはどこから、あの『Wall Of Sound』を思いついたのだろう?




彼が生まれたのは、1940年、ニューヨークのブルックリン。

もしかして、彼が子供の頃聴いた街の音が『Wall Of Sound』の原型になったのだろうか?

なんて、僕は夢想してみる。



ロックンロール、Doo Wop、は街の音楽だ。



ビルの谷間のスリーパート・ハーモニーは、50年代のニューヨークのダウン・タウンで

どんな風に響いていたのだろう?

車や人々の喧噪と渾然一体となったその響きは、少年だったフィル・スペクターの心象風景

や無意識の中に、くっきりと焼き付けられたのではないだろうか。




リバーブという現象は、たとえば、海岸だとか平原では目立たない。

リバーブ(残響)とは、エコー(反響)が幾重にも重なり合った状態だからだ。

(だからというわけでもないだろうけど、サーフ・ミュージック系の人とかは

割とドライなサウンドを好む傾向があるような印象を受ける)

残響が発生するには、ある程度区切られた空間が必要になる。

そう考えると、都市はそれ自体が巨大なリバーブレーターなのだ。




人類がはじめて体験したリバーブ・サウンドは、一体どんなものだったんだろう?




それはおそらく、洞窟や天然のトンネルの中でだったのじゃないだろうか?

木の上の生活から追われ、二足歩行を始めた人類が、外敵から身を守るため、

やっとたどり着いた洞窟の中。

アルタミラのクロマニヨン人達はそこで何を見つけたのだろう?




半世紀を過ぎた今も、スペクター・サウンドは瑞々しく、その魔力は変わることがない。

それは、一人の誇大妄想狂の男の夢と狂気を媒介にして、人類共通の太古の記憶が、

僕たちの中の洞窟を揺さぶっているからなのかもしれない。




僕たちが聴いているのは、初めて洞窟に足を踏み入れたクロマニヨン人が聴いた

『残響』のかけらなのだろうか?




そんなことを考えながら聴くロネッツは、いつもと少し違う響き方がした。







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